晩秋の墓地を訪れて、墓碑銘を〈読んで〉みよう。

モンパルナス墓地の日本人の墓

 モンパルナス墓地に「博士入江文郎(いりえふみお)之墓」がある。だいぶ前のことだが、孫にあたる方から頼まれて、そのお墓を探しに行った。入江文郎について辞典を引くと、「1834-1878。幕末-明治時代のフランス語学者。天保(てんぽう)5年4月8日生まれ。出雲松江藩医の子。江戸で竹内玄同に蘭学を、横浜のフランス公使館でフランス語をまなぶ。明治4年ヨーロッパに留学、11年1月30日パリで病死。45歳」とある。
オヴニーに入江博士のことを書くことになりました、という内容の手紙を差し上げたら、こんなお返事がきた。「文郎さんのこと。人間ぎらいで人をさけていたそうですが、今村和郎というひとだけは部屋にいれていたそうで、顔いろが悪いので彼がすすめて医者にみてもらうと、気管の炎症がひどい。故郷に帰るかイタリアの暖かい地方へ転地して療養すべきだといわれたそうです。しかし文郎は医者の処方せんを読んでなかに劇薬がはいっているとそれをこばみ、その3日ごになくなったそうです。(…)おはかは駐仏日本公使館の官吏および日本人留学生が相談して、2月1日モンパルナスの墓地に埋葬して墓碑を建てられたそうです。(…)入江靖子」(さ)

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