晩秋の墓地を訪れて、墓碑銘を〈読んで〉みよう。

「私たちのイヌよ、あなたは人間より人間的だった」


パリ郊外アニエール市には、1899年に創設された動物の墓地がある。入場料が必要な墓地というのも何だか妙だけれども、セーヌ河畔に立派な門を構えた墓地だ。その門には〈Cimetière des chiens〉とある。イヌだけではなく、鳥やネコなどさまざまなペットたちも埋葬されているが、イヌが8割方を占めている。ペットに寄せる飼い主の想いが凝縮したような空間だ。愛したイヌやネコの写真や彫刻が飾る墓碑銘を読んでみる。「Deçue par les humains, Jamais par mon chien 人間たちには失望させらるけれど、私のイヌに失望させられたことはない」、「Toi, notre chien, plus humain qu’un humain  私たちのイヌよ、お前は人間より人間的だった」といったような人間社会に辟易(へきえき)してペットに愛を注いだ主人たちが多いことに気づくだろう。
万聖節の後で墓地には菊の花が溢れ、その間で、こんな墓には入ることがないであろう野良ネコたちが、戯れていた。(麻)


「私はネコになりたい。神さまが、美しい花と優しい鳥の歌の間に連れて行ったそこで、私のネコたちに会うために」


「私たちはもう森には行かないだろう。そこでお前は楽しそうに走り回っていた。私の素晴らしい友よ、ここで休んでおくれ」


グラン・サンベルナール峠のバリーというイヌに捧げられた碑。「彼は40人の命を救ったが、41人目によって殺された」と記されている。

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