秋になると首が美しい緑色の野生のカモcolvertが鳥屋の店先に吊されていたりする。こういうカモは、お店の人に用意してもらってローストするのが一番。ふつうボクらが食べるのは飼育されているカモ。2~4カ月くらいのものが肉が柔らかく食べごろ。それより若いものはcanetonと呼ばれるが、味が薄めでちょっと物足りない。南西部で飼育されているmulard種はフォワグラ用。magret de canardは、このカモからフォワグラを取り出した後に、切り出された胸肉。
カモのローストを切り分けるのは、チキンと違って肉の中心部を半焼けの状態に焼くのがふつうなので、身が骨から簡単に離れないので、慣れないと難しい。胸に肉がたくさん付いているから、しなうような薄刃の包丁で、縦に平行に包丁をいくつも入れてから、骨に沿って切り離す。あとは、しっかりした包丁で、チキンのごとく手羽、ももと切り分ける。