OVNI 586 : 2006/4/15

「大学や高校内での秩序が乱れ、年度末の試験が脅かされている。通りでのデモで若者たちは危険な状態にさらされている。これらを考慮に入れ、この危機に一刻も早い解決策を見つける必要が生じた。(…)CPEは、仕事を見つけることがきわめて困難な状態にある若者たちを対象とした雇用対策にとって代わられる。私の意図がみんなにわかってもらえなかったことを後悔している」

4月10日、France 2でドヴィルパン首相。

Dico
promulguer
(プロミュルゲ 動詞)
 3月31日、シラク大統領は TVで “J’ai décidé de promulguer cette loi” と表明したが、”cette loi” は “CPE 初採用契約” を盛り込んだ法律のこと。それ以来この聞き慣れない “promulguer”という動詞をよく耳にする。プチ・ロベールを引いてみよう。”Rendre (une loi) exécutoire en attestant officiellement son existance”。「ある法律の存在を正式に認め効力を発揮させること」ということだ。一方で大統領は、問題点が変更されない限り適用されないようにと政府に要求していたが、4月10日、最終的には学生や各労組の “abrogation(廃止)” を訴える力に屈した形で、政府はCPE に代わる若者雇用促進策を考えると表明。(真)

4月9日、第104回パリ—ルーベ自転車ロードレース(259km)で、スイスのファビアン・カンセララ(25)が優勝。
幸い好天には恵まれたものの
27カ所の石畳区間で選手は悪戦苦闘。
例年のごとく落車が相次いだ。

25%
4月7日から8日にかけてリベラシオン紙が行った世論調査によると、シラク大統領とドヴィルパン首相の支持率が、CPE対応の不手際から急降下。前月比、大統領は8%減、首相は前回より7%減のともに25%。

63%
同じ世論調査で、若者の失業に対して、左派が右派よりすぐれた対策を持っていると答えた人はわずか16%(社会党支持者は31%)、持っていないと答えた人は63%(社会党支持者は56%)。CPEの反対運動が、そのまま2007年大統領選での左派支持率に結びつくとは限らないようだ。 

20 000人
4月4日、ロワール県にある人口3万9000人のロアンヌ市で、反CPEデモに参加した市民はなんと2万人! 繊維産業で栄えていたが、この30年間で数千人が職を失った町中にCPE反対の声が盛り上がった。

78%
フランスでも喫煙がまわりに及ぼす害についての意識が高まっていて、アイルランドやイタリアにならい、公共の場での喫煙を完全に禁止することに賛成の人が78%に達している。

●ムサウイ被告に死刑の可能性
 2001年9月11日の米同時多発テロ裁判の唯一の被告であるモロッコ系フランス人、ザカリアス・ムサウイ被告(37)の裁判で、米アレクサンドリア連邦地裁の陪審団は4月3日、「同被告の死刑は可能」との評決を下した。同被告が01年8月の逮捕時に嘘をついたため、テロを未然に防げなかった結果、2978人の死に対して直接責任があるとした。死刑可能の決定が出たため、裁判は死刑か終身刑かの裁決がなされる第2段階に進んだ。同被告は罪状を認めて死刑を希望しており、裁判官や陪審を挑発する発言を繰り返している。
●EADS株をラガルデールらが売却
 仏防衛・メディアのラガルデール・グループと独ダイムラー・クライスラー社は4月4日、両社が保有する欧州航空防衛EADS(エアバスの親会社)株を財務上の理由で7.5%ずつ売却することを発表した。両社は現在それぞれEADS株を15%、30%保有しており、売却は来年初めに行われる。一方、通信機器アルカテルは、同社衛星事業の譲渡と引き換えに防衛電子機器タレス社への資本参加率を9.5%から21.6%に引き上げることでタレス社と同意、4月3日に政府の承認を得た。国の保有率は31.3%から27.1%に下がる。タレスにはEADSも資本参入を狙っていたが、実現しなかった。
●パスクワ元内相、取り調べ
 イラクが経済封鎖下にあった1996~2003年にイラクの石油を同国が必要とする最低限の食糧と交換する、国連主導の「石油食糧交換計画」に関連する汚職事件で、シャルル・パスクワ元内相が4月5日、予審判事によって取り調べを受けた。元内相は、同計画の一環として交わされた1999年の契約で、約1000万バレルの石油を不正に入手したと疑われている。この件ではフランスだけですでに外交官ら10人が取り調べられている。
●少女焼き殺し犯に懲役25年
 ヴァル・ド・マルヌ重罪院は4月8日、17歳の少女を生きたまま焼き殺したジャマル・デラール被告(22)に25年の懲役刑を言い渡した。共犯のトニー・ロッカ被告(23)は禁固5年。デラール被告は、2002年10月にヴィトリー・シュル・セーヌの公団住宅のごみ置き場で、いさかいのあった恋人、ソアーヌ・バンジアンヌさんにガソリンをかけ、火をつけて焼死させた。裁判では、「事故」を主張する被告側と、ガソリンを前もって購入するなど計画的犯行であるとする検察側の言い分が真っ向から対立。陪審団は検察側の主張を支持する評決を下した。
●CPE、ついに撤回
 ドヴィルパン首相は4月10日、〈初採用契約(CPE)〉に代わる若者雇用促進策を国会に提出することを明らかにした。代替策は、低学歴、問題ある郊外地域出身などの理由で特に就職が難しい15~26歳の若者を無期限雇用した企業に援助金を支給するというもの。事実上のCPE撤回に左派、学生組合・労組らは勝利を宣言。2年間の試用期間中、26歳未満の若者を理由提示なしに解雇できるCPEへの反発は大きく、3月28日、4月4日にも全国300万人規模のデモが行われ、学内封鎖も続いていた。憲法評議会のCPE合憲判断を受けて、シラク大統領は3月31日、同法を公布したものの、試用期間短縮、解雇理由の提示義務の2点の変更を政府に求めるとともに、その適用を延期し、反対派との対話を指示していた。