17区はヴィリエ駅から目と鼻の先に事務所を構えるセドリックさん。ジャック・オディアール監督の『De battre mon cマur s’est arr腎氏xで見る不動産業界には、胡散臭い匂いがつきまとうが、セドリックさんにそんな影はみじんもない。 「住居を決める時は、行動範囲と家族構成を考えた上で、スタイルや好みから選ぶのがいい。パリは1区から20区までまったく違う顔があるから、まずは自分を知ることが一番の近道。必ずぴったりの地区が見つかるよ」。ヴィリエ界隈は、シックとポピュラーが交差するバランスの取れた街。モンソー公園付近はオスマン建築の瀟洒な建物が並び、レビス通りは市場の快活な空気が流れている。そのコントラストが面白く、ここには16区のようなスノッブさはないという。 25年前、リヨンの実家を離れて、パリで見つけたミュエットのワンルーム。大きな家に住み慣れたセドリックさんにとって、パリの狭苦しい生活は耐え難いものだった。 「年月とともに空間を広げ、自分の村を築いていったんだ」。人生の伴侶にめぐり逢うまで、長年暮らした15区には愛着を感じる。だから結婚を機に3区のアール・ゼ・メティエ街に移ったのは、一種の冒険でもあったそう。固定観念を払いのけ、生活のスタイルを変えて、新生活に挑む。中国人やユダヤ人をはじめ人種の坩堝(るつぼ)で、独身貴族や同性カップルが多く住むこの界隈には、自由な魂を感じる。「僕は地方の出身だから、パリでは自分から動かなきゃ何も起こらない。パリっ子にとって、馴染んだ村(=界隈)を離れるのは難しいこと」。現在、英国人の奥さんと2人の子供と暮らす、120m2のロフトは少々手狭に感じる。実をいうと、ヴィリエであと30m2広い住まいを持てたら…という夢を抱いているのだ。パリっ子にとって憧れの、「空間を広げる」夢は果てしなく続くのである。(咲)
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●Le 3 通りから細道を抜けると、冬は温室風、夏はテラス風の、緑溢れる空間が待っている。夜は赤いランプが灯り、ラウンジ系の音楽や、香辛料を駆使した一風変わった料理を求めて、地元のboboたちで賑わう。深夜、時計の針が12時を回るころ、食卓を囲んでお喋りに没頭するのは、若い異性カップルや中年の同性カップル。このまったりした空間が、セドリックさんのお気に入りだ。 3 rue Ste Croix de la Bretonnerie 4e 01.4274.7152 M。Hotel de Ville 土日昼・月休。 |
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JO2012
2012年オリンピック(Jeux Olympiques)をパリに! 街にも住人にも良い事づくめだから、無条件で誘致成功してほしい!と思っている人が37%、来ない方がいいと思っている人が意外と多く29%だった。 www.parisjo2012.fr/ “Paris 2012 – Site officiel de la candidature” |
パリのバティニョールに設置された”空気のように軽い” JO 2012用モニュメントは高さが80mある。 誘致合戦のため、リュック・ベッソン監督のクリップが5月15日、シャンゼリゼで撮影されたり、力が入っている。パリは最有力候補なのだ。 |