バスティーユ近くにある〈China Club〉。名前は聞いたことがあっても、地階で定期的にコンサートが行われていることを知っている人は少ないようだ。 会員制クラブのような秘密めいた印象を受けるが、中は、天井が高く、エキゾチックで洗練された、アジアの歴史あるホテルのような雰囲気だ。ネオンがきれいなバーにならぶ数知れない種類のお酒。フランスの3つ星ホテルを凌ぐほどのカクテル数とコンテストでの受賞歴でも知られている。家具や内装の作りからは、少し植民地時代のアジアの匂いが感じられる。一階はレストランとバーラウンジ。広々とした階段をのぼった二階には少し薄暗いこぢんまりとしたサロンがあり、食後酒や葉巻でくつろぐ場所に使われている。 地階には100人は入れるライブスペースがあり、カウンターでカクテルなど100種類以上の飲み物を注文できる。ジャズが中心だが、東欧系、アフリカンなど、オリジナルでエスニックなプログラム内容だ。レコード会社のショーケースとしてコンサートが行われる時もある。 15年前から存在するのに、時の隔たりを感じさせず、最近はやりのお店のような錯覚を受ける。経営者の一人、ウォルター氏が言っていたが、有名無名に関わらず、だれでも同じように受け入れる。入り口でこわそうな顔をして立っているドアマンもいない。時も身分も忘れ、無国籍な世界にひたれる空間だ。(尚)
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*50 rue de Charenton 12e 01.4343.8202 http://chinaclub.cc 毎週金、土(22時半~)のコンサートは無料。水、木(20時半~)は有料(約10euros)。 |