肉体と精神のコントロールは自転車で。

近所のトゥルソー公園。賑やかな商店の多い地域の憩いの緑地。
近所のトゥルソー公園。賑やかな商店の多い地域の憩いの緑地。

Trousseau – Aligre界隈(12区)

 小学校の教師であるピュイセルキュスさんと、彼の住居の近くトゥルソー公園で待ち合わせをする。「では、カフェにでも行ってお話ししませんか」と尋ねると、「ここのベンチの方が静かで良いのではないですか?」と言われた。「私はカフェやバーに行くことにはあまり興味がないんです」と笑いながら。
 ピュイセルキュスさんはある自転車クラブの会長を務める。パリとその郊外からやってくるメンバーで形成され、フランスだけでなく、ヨーロパ各国のコンペに皆で参加するそうだ。有名どころでは毎年催される「ボルドー・パリ」や4年に1回の「パリ・ブレスト・パリ」レース。各々、620km、1200kmもの道程を競うコンペであるが、これらに参加するためには普段からの身体づくりがものを言う。「ですから、この界隈でカフェやバーに行くよりも、ヴァンセンヌの森へ出向いて自転車サーキットで練習している方が多いんです」と言う。若い頃には煙草もお酒もやっていたらしいが、自転車レースを始めて25年、現在はバランスのとれた肉体と健康のことのみを考える生活に満足している。自転車のお蔭で日常生活において精神をコントロールする規律が生まれ、過酷なレースにおいては天候や肉体の限界と闘うなかで、仲間たちと特別なものを共有することが何よりの悦びだと言う。
 この界隈に住んで4年、周辺には名の知れた俳優やショウビズ界の人も多く、余裕のある層が多いという。有名なアリーグル市場と共に数多い充実した商店で溢れ、実に活発な地域に満足しているそう。しかしながら健全生活を追求するピュイセルキュスさんにとって、近所のバーの賑わいや自動車、バイクの騒音、はたまたパトカーの音は、しばしば完璧な睡眠の邪魔になってしまうと笑う。「私には自転車という特別なものが存在するのでね、地域との関わりよりも確立された自分の世界の方が強いですね」。しかしながら自転車をやらないという奥さんの方は、そんなカルチエを充分に活用し楽しみ、彼女を通して地元とつながっていると感じるそうだ。(久)
ピュイセルキュスさんの自転車クラブ
http://ecf.numeriforge.com/

●Paya Thaï
 カフェやバーに行かない彼も近所のレストランには行く。お気に入りはこのタイ料理店。カジュアルでありながら洗練されて、美味しいオーセンティックな品々。タイ人スタッフの笑顔のおもてなしにも癒されて、コストパフォーマンスとても良しの店とのこと。
日休。12h-14h30 / 19h-22h30
30 rue d’Aligre 12e  09.5096.1000
●Majestic Bastille
 30年代開業のアールデコ調の映画館は、70年代にはB級映画やポルノ映画を上映していたらしいが、1995年に新たに生まれ変わり、芸術映画、低予算映画など映画好きに応えるチョイスとなっている。 映画鑑賞が趣味であるピュイセルキュスさんにとって、家から歩いていけるバスチーユの映画館として理想だそう。
4 bd Richard Lenoir 11e  01.4700.0248
●Bibliothèque Faidherbe
 子供から大人向けまで8万5千の本の他、CD1万6千、1万1千のマンガ、208種の雑誌…とパリ市立の図書館としては充実した設備が評判。ピュイセルキュスさんも読書にニュース閲覧にと大いに活用している。現在9月末まで館内整理のため閉館となっている。
火金13h-19h、水土10h-18h、木13h-22h
18 rue Faidherbe 11e  01.5525.8020

フランス、ヨーロッパ各地で行われる自転車レースを通じて仲間たちとの絆ができる。

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