パリ大学日本語科の3年生、ジェレミーさんに、今度の大統領選挙の結果について聞いてみた。
「ルペンが大統領選挙の決選投票に残るというニュースをラジオで聞いたとき(ボクはテレビを持っていないんだ)、自分の耳を疑い、幻聴ではないかと思ったくらいだ。さっそくスコットランド人のガールフレンドに電話を入れたけれど、彼女も信じられないと言うし、ボクは急にフランス人であることが恥ずかしくなってしまった」
「社会党のやっていることには大いに不満があったので、今回は社会党のジョスパン候補ではなく、急進左翼党のトビラ候補(2ページの “Profil” 参照)に一票を入れた。話し方が好きだったし、初めての黒人女性候補だし、それに美人…。でも、それもジョスパン候補が決選投票に残ると信じていたからで、今となっては悔いが残る。5月5日の投票には、シラク候補に一票を入れるつもりだけれど、シラク大統領は大嫌いなので、手が汚れないように手袋をしたりピンセットでつまんで投票箱に入れようか、と友人と作戦を練っているところ」
「ルペンへの得票がそんなに伸びたとは思えない。やはり棄権率が高かったことが原因だったと思う。でもルペンを支持するフランス人がこれだけいることはショックで、おとといも、友人二人とレピュブリック広場でのルペン阻止デモに参加した。若者がほとんどで5000人くらいしか集まっていなかったが、「Chirac escroc, Le Pen facho!(詐欺師のシラク、ファシストのルペン!)」と、機動隊に包囲されたままだったが、元気にシュプレヒコールをあげた! 5月1日のデモにも友人、家族に広く声をかけて大人数で参加したい」(聞き手:真)