パリ市内にある道路の全長は1450キロメートル。その10%にあたる145キロから車を締め出し、歩行者と自転車専用の《緑の循環道路》にしようという運動が推進されている。
一見実現不可能な考えにも思えるが、この計画の原案を準備している RESEAU VERT 協会の活動歴を聞いてみると、その可能性が見えてくる。昨年パリ市が自転車専用ゾーンを設け、セーヌ河沿いの高速道路を日曜だけ《歩行者・自転車天国》にしたが、その仕掛け人がこの協会。今年の6月には、サッカー・ワールドカップ開催に合わせ、フランス・スタジアムと Porte de la Chapelle 間の自転車専用道路が開通するし、2000年には TGVにも自転車用のスペースが設置されることになったのも、やはりこの協会の活動のおかげだ。
協会のスポークスマンのエリック氏は、「通勤に車を利用している人は20%だが、その車が、駐車を含めるとパリ市内の道路の80%を占有してしまう。それでいながら、パリの住民の50%以上 (中心地では70%以上)が車を持っていない。大気汚染や騒音などの公害を減らし、子供たちが安心して遊べる環境を作るためにも、《緑の循環道路》計画は実現されるべきだ」と力説する。
度重なる大気汚染の赤信号で、最近は住民全体の関心が高まってきているので、”2000年” を記念してパリ市がこの計画を受け入れる可能性が高いという。(尚)
RESEAU VERT
Adresse : 114 rue du Chateau, 75014 Paris , FranceTEL : 01.4322.4064