城を築く。〜ゲドロン城、21世紀の「中世の城」〜 2019-09-02 パリから行ける街 0特集記事 ブルゴーニュ地方の森のなか、中世の城を建てている人たちがいる。修復でも、どこかの城の復元でもない。13世紀、この森の一角に城を構えたであろう人物像を想定し、その領主にふさわしい設計をし、30年間かけて城を築くという一大建築プロジェクトだ。 当時の建築方法を伝える文献がないため、途 [...]
北フランスの愛鳩文化。 2019-07-31 フランスの文化 0特集記事 人間は大昔から鳩の帰巣本能をさまざまな形で利用してきたが、ベルギーでは1810年頃、「鳩レース」が生まれた。鳩舎から離れたところで鳩を放ち、帰舎の速さを競うものだ。国境を接するフランス側にも鳩レースは伝わった。特に、鳩を携えてフランスに働きに来た炭鉱夫たちにより、愛鳩文化は北フラ [...]
ブローニュ・ビヤンクール、 30年代の街。 2019-07-01 パリから行ける街 0特集記事 第一次世界大戦が終り、第二次大戦が始まるまでのつかの間の平和な時代、1925年、パリで開催された 「装飾芸術と産業の国際博覧会(アール・デコ万博)」では、ル・コルビュジエのエスプリ・ヌーヴォー館などの機能的でシンプルな近代建築と、幾何学的だけれどシックなアール・デコの装飾や建築が [...]
中世から続く職業訓練制度 「コンパニョナージュ」 2019-06-01 フランスの文化 0特集記事 旅しながら、職能をみがく コンパニョナージュ。 「コンパニョン」という言葉を始めて聞いたのは、パリの手作りブーツ屋Clairvoyを取材したときだ。「うちはコンパニョンから人材を採用している。優秀だから」と言われ、「えっ、コンパニョンって何ですか?」と尋ねると、教育 [...]
アニエス・ヴァルダに 会いに行く。 2019-05-01 アート 0特集記事映画 身長153cm。大の猫好き。髪型は永遠のマッシュルームカットで、ここ数年は赤と白のツートンカラー。孫からは「mamita punk (パンクおばあちゃん)」と呼ばれていた。映画監督アニエス・ヴァルダのことである。2019年3月29日、パリの自宅で息を引き取った。享年90歳。ジャン [...]
オヴニー 40歳の社会見学。 2019-04-01 フランスの文化 0特集記事 ノルマンディーの印刷所へ。 親愛なる読者の方々、広告・アノンスをお出し下さる方々、頼もしい寄稿者、様々な人たちのおかげで、オヴニーは今年、創刊40周年を迎えることができました。 この機会に、普段はスタッフも見られれない舞台裏、とはいえ新聞づくりのひ [...]
みんなで作って食べる喜び。 2019-03-01 チーズを選ぶ 0特集記事 家の近くにオープンしたチーズ屋さんで、チーズ作りの講座が受けられると聞いて行ってみた。参加者は、定年退職後の田舎生活で自分でチーズを作りたいという人、家でやってみたが失敗して習いに来たカップル、チーズ屋さんで働く人など10人ほど。 2時間半でモッツァレラ、プチ・ヴァッシュ、バタ [...]
アール・ブリュットの世界。 2019-02-01 アート 0特集記事 1945年、フランス人画家ジャン・デュビュッフェが提唱した概念「アール・ブリュット(Art Brut)」。専門教育や文化潮流の影響は受けず、内なる衝動から生まれた芸術作品を指す。日本では「生(き)の芸術」などとわかりにくい訳をされることも多い。 アール・ブリュットの源流には、 [...]
2018年12月、「共和国」の広場にて。 2018-12-14 フランスの出来事 0特集記事 12月、土曜の午後。レピュブリック広場で「黄色いベスト」と「緑のベスト」が合流した。緑のベストを着て「気候のための行進」をする人たちと、車中心の生活ゆえに燃料税の引上げに反対する人たち。ふたつのグループの要求は、相反するかに見えていたけれど、「公正な課税方法にすれば、気候変動を [...]
ブザンソン:美術館を訪ねる旅。 2018-12-01 パリから行ける街 0特集記事 フランシュ=コンテ地方の中心ブザンソンは城塞都市。蛇行するドゥー川に挟まれた土地にそびえるサン=テティエンヌ山の頂上に、ルイ14世治下の軍事建築家、セバスチャン・ル・プレストル・ド・ヴォーバン(1633-1704)が造ったシタデル(城塞)がある。フランシュ=コンテはフランス領にな [...]