ウエルベック新作。 2001-09-15 本 0 ●Michel Houellebecq《Plateforme》 現代フランスでおそらく最もメディアで話題になる作家、ウエルベック。その第三作、『プラットフォーム』は、慣例の新刊出版シーズンに先だって店頭に並び、以来、大きな反響、論争を引き起こしている。この反響とは、むしろ非難的 [...]
生の静寂、文学の声。 2001-07-15 本 0 ●Laurent Mauvignier《Apprendre a finir》 夫の不倫のためにすでに破局寸前の家庭。すでに家を出ている娘一人とまだ幼い息子二人。喧嘩の絶えない毎日。ある日夫は事故に遭い、半身不随に…。 この小説は、そんな夫の体と心を癒そうと努める妻の物語り、妻 [...]
クロード・シモン新作! 2001-05-15 本 0 ●Claude Simon, Le Tramway 1985年ノーベル文学賞作家、今年で88歳を迎えるクロード・シモン。すでに20作近い小説が出版されており、邦訳も数作出されている。1997年の『Le Jardin des Plantes』以来の待望のこの新作、クロード・シモン [...]
芸術における性的なもの -作品の創造力と受け手の想像力の接点- 2001-04-15 本 0 すでに1947年、その第二作『La Corde raide』に、「ピカソのせいで、滑稽にならずに画家になることはもはやできない」と書くクロード・シモン。1970年の著書『Orion aveugle』には68年(!)に描かれたピカソの作品を挿入するシモン。1997年の『Le Ja [...]
MC.Solaar vs V.Hugo –「悪」対決!– 2001-03-15 本 0 ラップ界のゲンスブールといわれるMCソラーと、19世紀仏文学で最も偉大なおそらくは仏文学史最後の偉大なアレクサンドラン詩人ユゴーの異種対決。 ソラーのニューアルバム『Solaar pleure』は善と悪の戦いを語る。ユゴーの『La Fin de Satan』は、創世記、アダム [...]
21世紀フランス恋愛小説? 2001-02-15 本 0 ●Aurore 一見たわいのない恋愛小説に見えるこの作品、「愛とは…」というアフォリズムのステレオタイプが周期的にあらわれるこの作品。その真の独自性はこのような表面的、典型的な恋愛小説調子にあるのではなく、その背後にある独特の微妙さにある。それはあまりに繊細であり [...]
ロベールの大作家辞典 2001-01-15 本 0 ●Le Robert des grands ecrivains de langue francaise この辞典は、様々な辞書を出し、その綿密さと厳格さで定評のあるロベール社が、辞書の形をとって、フランス文学—フランス語で書かれた文学—の多様性、豊かさを [...]
アフリカからみる二十世紀、アフリカからみるフランス語。 2000-12-15 本 0 ●Ahmadou Kourouma”Allah n’est pas obligé” 二十世紀を締めくくる作品を選ぼうととしていたゴンクール賞の選考に最後まで残り、Renaudot賞と「高校生のゴンクール賞」をとったこの小説、その [...]
ゴンクール賞 2000 2000-11-15 本 0 ●Jean-Jacques Schuhl “Ingrid Caven” 今年のゴンクール賞は、Ingrid Cavenというドイツ人歌手・女優を中心人物とした25年ぶりのJ.J.シュールの新作だ。 一言でいって、この小説は難しい。鍛錬されたフランス語、 [...]
女が語る男、男との関わりから浮き上がる女… 2000-10-15 本 0 ●Camille Laurens “Dans ces bras-là” カミーユ・ロランスの第7作目にあたるこの小説は今秋の話題作の一つで、すでに数々の文学賞の候補にされている。 物語は、語り手である女性が道で見かけた一人の男に惹かれ、そ [...]