●Collège des Bernardins
音楽、ダンスのお稽古と、新学期からの水曜日は娘と一緒に歩く機会が増えた。ただいつも同じではつまらないので「今日はこっち」「遠回りしよう」と散歩を兼ねる意味でも道順を工夫。しばらく前までは「どこへ行くの?」、「いつ着くの?」と言っていた娘が、最近は歩くのが好きになったのか散歩を楽しむようになった。
そんな途中で見つけたのが5区のポワシー通りにあるCollège des Bernardins。前は薄汚れた感じの僧院というか教会があったなぁ…と記憶していたのだけれど、きれいに洗われた石が目にまぶしい建物と生まれ変わっている。「見学自由」とあるので中へ入ってみる。
もともとは13世紀の半ばに神学を教えるために開かれた神学校St-Bernardの名が改まってBernardinsとなった。4世紀以上の間、聖職者だけでなくパリ大学の学生も、神学以外にも哲学や文学を学びにきていたという。そして革命後に国の所有となり、監獄、倉庫、消防署、警察学校の宿舎…と20世紀末まで変遷の運命をたどり、21世紀のはじめにパリ司教区が建物を買い戻した。それから4年の月日をかけて行われた解体修復工事の甲斐あって、現在の姿、ということらしい。
この典型的なシトー会修道院建築物の内部は、広々とした空間が気持ちよく、石の白さのおかげか意外に明るい。私たちが訪れた時には創設当初から存在する聖具納室(sacristie)で写真の特別展が開かれていた。もともとは神学を教える場所だったとはいえ、現在はもちろん万人へ門戸が開かれており、大人向けには講演会、児童(6-12歳)向けのお話し会や哲学講座、そしてクラシック音楽のリサイタルなどが定期的に開かれている。(海)
Collège des Bernardins : 20 rue de Poissy 5e
01.5310.7444 www.collegedesbernardins.fr
10h-18h、日祝14h-18h。見学無料。