米国がフランス産ロックフォールチーズへの輸入関税を、3月23日以降100%から300%に引き上げると決めたことで、フランス政府や生産者は怒りを爆発させている。米国は年400トンのロックフォールを輸入している(全生産量の2%)が、3月から関税が3倍になると米国向け輸出はほぼ消滅するだろうと生産者組合はみている。
成長促進のためのホルモン剤を投与した米国産牛肉の禁輸措置をとる欧州連合EU諸国と米国の戦いは20年来だ。米国が禁輸解除に期待をかけていた1999年に、EUはホルモン剤を投与した牛の肉およびホルモン非投与とされていた牛肉にも発がん性のあるホルモンが残留しているとして、禁輸措置を続行。米国はホルモン牛肉の人体への有害性が科学的に立証されていない上に、非投与牛肉は安全であるとして、欧州産の食肉・肉製品を中心とした食品に100%の報復関税をかけるようになった。今回発表された報復関税は果実、野菜、穀類、穀類、水などさらに多くの食品を対象としている。狂牛病禍による米国産牛肉の禁輸をあっさり解除してしまった日本も、EUの粘り強さを見習ってほしいものだ。(し)