パリの社交界をあっといわせる豪華なソワレを自宅で開こうと企む、花キャベツ氏の夕べを描く”Monsieur Choufleuri restera chez lui” と、パリの胃袋レ・アールで働く女性たち (演じるのは男性なのだ) の日常を描いた”Mesdames de la Halle” が2本立てで上演されている。もともと軽歌劇のオペレッタも、さらに喜劇性を加えたオペレット・ブッフも、話が単純だからわかりやすいし、ホロっとさせられる場面はあっても元々は喜劇だ。おまけに歌あり踊りありのサービス満点で、万人向けスペクタクルのお手本といっていい。 19世紀の人々は大いに楽しんだに違いないが、現在でも十分笑える。 大口開けて笑っていたら隣に座る相棒が「馬鹿馬鹿しさとキッチュなところはカフェ:ぢテアトルなどのドタバタ劇と変わらないね」と興ざめの一言。 いいじゃないね、たまにはこういう楽しい観劇も。(海) 7月18日まで。160F。 * Theatre Silvia Monfort : 106 rue Brancion 15e 01.4531.1096 ●Le joueur d’echec シュテファン・ツヴァイクが最後に執筆した短編を劇化したこの舞台では、すべてを傍観する旅行者の「私」と、ナチスから逃れ亡命中のオーストリア人、チェスで身を立てる世界チャンピオン、アメリカでビジネスに成功したアイルランド出身の成金実業家との人間模様が、ニューヨークとブエノスアイレスの間を渡航する船の中で繰り広げられる。 ブラジルへ亡命後自ら命を絶ったツヴァイク自身の人生への回顧が、チェスという奥深いゲームの中に投影されてゆくのを見ながら、椅子があるだけの舞台に船のデッキやチェス台などが浮かび上がるような錯覚に陥る。 素晴らしい一人芝居を披露してくれるのはアンドレ・サルゼ。(海) * Poche-Montparnasse : 75 bd du Montparnasse 6e 01.4548.9297 140F/110F |
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