世界人口の1%に当たる少数の人が、2016年には世界全体の富の半分を所有することになるというショッキングな調査が発表された。この調査は、貧困・不公正と闘う世界の17の非政府組織の連合体「オックスファム」がクレディ・スイス銀行のデータを元に算出して1月19日に公表したもの。世界人口の1%の富豪が所有する富の割合は2009年は44%、14年には48%だったのが、16年には50%を超えると予想する。しかも、14年の残りの52%のほとんどは20%の富裕層が所有する。逆に言えば、世界の8割の人は富の5.5%しか持っていない。さらに、世界の貧しいほうの50%の人が持つ富の合計に相当する富を持つ最も裕福な人は2010年には388人だったのが、12年には159人、14年には80人と、富がますます少数の人に集中してきている。ここでいう「富」は、例えば自給自足の生活形態などは考慮しないだろうし、真の「豊かな生活」を必ずしも意味しないとしても、この数字は十分に衝撃的だ。オックスファムはこうしたデータを元に、各国政府に富の分配や、より公平な国際税制規則の設置を呼びかけていくそうだ。(し)