— 革命記念日の軍事パレード —
7月14日は革命記念日。日本では名画の影響で「パリ祭」とも呼ばれ甘美な響きがあるが、実際は1789年のバスティーユ監獄襲撃を記念する血なまぐさい祝日だ。ちょうど友人から恒例行事である軍事パレードの招待状をもらったので、せっかくだから見学することに。この友人からは注目すべき面白ポイントを事前に3つ教えてもらう。それは「士官学校の女生徒」、「外人部隊のヒゲ軍団」、「パラシュート部隊のデモンストレーション」であった。
指定されたシャンゼリゼ大通りの見学スペースに、パレード開始2時間前に到着したが、すでに沿道は人垣。人の頭の隙間からのパレード観察になった。今年は第一次世大戦の開戦百周年ということで、当時の参戦国が招待され一層豪華。気づかなかったが、自衛隊も参加したという。
パレードが始まり、華麗な戦闘機ショーの通過後には、お待ちかねの士官学校の生徒が登場した。毎年成績優秀な学生が先頭で旗を持ち歩くが、意外にも女生徒の割合が高いという。しかし私が肉眼で見つけられた旗持ち女生徒は一人だけ。やはり凛々(りり)しい姿で、拍手も多く飛んだ。外人部隊はヒゲもじゃの木こり風軍団がいて面白いという話だったが、これは人垣のために生では見られず。一昨年に式典で着陸時に怪我をし、大統領が励ましたというパラシュート部隊の勇姿も、遠くて見られなかった。
気を取り直し、パレードを終えたエコール・ポリテクニークの学生に話しかけてみる。この制服姿の学生によると、10日間の練習を経て本番を迎えたという。パレードに参加できるのは学生の一部だから、「とても誇らしい」と笑う。彼のお父さんも、「親にとっても誇らしい日です」と語り、自慢の息子の晴れ姿を写真に撮り始めた。エリート校の学生も人の子だった。(瑞)
軍事パレードを観覧席から見たい人は、
大統領府にハガキを出せば抽選で招待状をもらえる。
Présidence de la République, Palais de l’Elysée,
55 rue du Faubourg Saint-Honoré 75008 Paris
手を伸ばしカメラで撮った おなじみ外人部隊のヒゲ軍団
特等席は、やはりパパの肩の上だ。