最近、魚屋に活きのいい中イカが並んでいる。表面の皮がしっかりとついていて、身に透明感があるものを選びたい。皮がめくれていたり、身が白くなっているものは避けること。フランス語ではcalmar(calamar)と呼ばれる。コウイカはseiche。イカは、どちらかというと南仏、地中海沿岸の人たちの好物で、塩、コショウしてさっとグリルしたり、細かく切ったイカの足やごはんなどを詰めてオーブンで焼いたり、ニンニク風味のトマトソースと煮込んだりする。11区にあったシチリア料理の店では、シチリア名物のピスタチオのペーストをたっぷり詰めたイカを出してくれたが、絶品だった。スペイン人も、日本人に負けないくらいのイカ好きで、オリーブ油で唐辛子と一緒にさっと炒めたり、イカスミと煮込んだりする。バスク地方ではイカはchipironと呼ばれ、トマトや生ハムと一緒に時間をかけて煮込まれ、エスプレット産の唐辛子をアクセントにする。イカは柔らくないとうまさが半減する。色が白くなったらすぐに火を止めるか、逆に長時間煮込むかしたい。(真)