2月7日にルルーシュ貿易担当相が発表したところによると、2011年のフランスの貿易赤字は過去最高の696億ユーロを記録した。輸入は前年比で11%増えて約4980億ユーロ、輸出は8.6%の増加に止まり、約4290億ユーロだ。
輸出は主にアジアや米国向けを中心にコニャック、シャンパン、ワイン、チーズなどの食品(114億ユーロの輸出超過)や高級ブランドが健闘したものの、医薬品や航空・宇宙関係が振るわず(エアバスのおかげで177億ユーロの輸出超過ではあるものの昨年より減少)、とくに原油、天然ガス、ガソリンなどが輸入高を押し上げている。フランスの貿易は70年代末までは均衡を保っていたが、80年代に赤字に転じ、90年代に持ち直したものの、2003年頃から下降の一途をたどり、世界におけるフランス製品のシェアはわずか3.6%。フランス製品が国際競争力を失っていることは明らかだ。今、大統領選挙運動で「メイド・イン・フランス」の推進や競争力の向上が盛んに言われているが、フランス製品の競争力挽回(ばんかい)はなかなか難しそうだ。(し)