欧州中央銀行(ECB)は2月4日、格付けの低いギリシャ国債を担保として認めてきたECBのギリシャ諸銀行に対する特例措置を打ち切ると同国政府に通告した。特例がなくなれば、ギリシャの銀行がECBから資金を借りる金利が高くなりリスクも増える。緊縮財政やEUの「独裁」に反対して総選挙に勝った急進左派連合のチプラス政権に早くも圧力がかけられた形だ。
新首相は財政改善の方策をユーロ加盟諸国と緊急に交渉するか、破産してユーロから脱退するリスクを取るかの選択を迫られる。ギリシャ救済措置第2弾(1300億ユーロ)の終了期限は2月末と迫っており、財政改革の方針を同国政府は早急に決定しなければ支援の継続はない。半年ほどは猶予があるだろうという同国の期待が今回のECBの決定で消えた今、チプラス首相がとれる現実的な解決策は、まず4~5カ月の救済措置期限の延長を求め、その間に財政改革と経済振興方針を決めることだろう。ギリシャが財政緊縮を進めれば2015年は2.5%の経済成長が見込めるという明るい材料もあり、厳しい立場に立たされた新政権の手腕を見守りたいところだ。(し)