東日本大震災の知らせを聞いたギエムは、いち早くダンス・音楽関係に呼びかけて4月6日、パリ、シャンゼリゼ劇場でチャリティ・ガラを成功させ、今秋の日本ツアーのタイトルを「Hope Japan Tour」に変えた。
今回のAプロは「愛の物語」として、アシュトン振付「田園の出来事」、マクミラン振付「マノン」、リファール振付「白の組曲」が、そしてBプロではヨーロッパのダンスの今を体感できる、エック振付「アジュー」、フォーサイス新作「パ・ド・ドゥ」、ベジャール振付「春の祭典」、キリアン振付「パーフェクト・コンセプション」が、それぞれ上演される。
ギエムが踊るのは「田園の出来事」「マノン」、そして昨年12月ストックホルムで初演された「アジュー」と、今年7月ロンドン初演の「パ・ド・ドゥ」だ。
もうひとつの「エオンナガタ」は、ルイ15世お抱えの外交官兼スパイとして、時に女装をしてスパイ活動を行い、人生の前半を男性として、後半を女性として数奇な運命を生きたシュバリエ・デオンを取り上げた作品。「エオン」「女形」を組み合わせたタイトルからも、演出のロベール・ルパージュ、振付のラッセル・マリファント、踊るシルヴィ・ギエムといったアーティストたちから、日本文化への奥深い敬意とオマージュが感じられる。
10月から11月へ、シルヴィ・ギエムとその多彩な作品が、今のこの日本で上演されることは、後の時代から賞賛をもって語られるはずだ。
シルヴィ・ギエム オン・ステージ2011
Aプロ 2011年10月22日、23日、25日、26日
Bプロ 2011年10月29日、30日
会場:上野、東京文化会館
Hope Japan Tour
10月31日・岩手県民会館、11月3日・愛知県芸術劇場、11月5日・兵庫県立芸術文化センター、11月7日・オーバードホール(富山)、11月9日・倉敷市民会館、11月11日・広島市文化交流会館、11月13日・福岡サンパレス
「エオンナガタ」
11月17日〜20日
会場:五反田、ゆうぽうとホール
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