「あの日以来、僕はカポエイラに夢中なんだ」。そう語るジュリアンは心の優しいカポエリスタ。仕事で滞在していた日本の同僚に誘われ、からかいがてら参加したのが最初のカポエイラとの出会い。大阪のとある神社が特別に使用を許可した歴史的建造物である橋の上(!!)で行われたセッションだった。 カポエイラCapoeira はブラジル伝統舞踊(格闘技)。ポルトガルの植民地であったブラジルに、アフリカから大量に送り込まれた奴隷たちが、支配者からの理不尽な暴力から身を守るため、音楽や歌に合わせて踊っていると見せかけて、ひそかに護身術の訓練をしていたことが由来だ。参加者が円になるのも中央で練習する仲間を監視の目から守るため。どこからともなく円ができ、ビリンバウやパンディロといった楽器が奏でるリズムに合わせ合唱が始まる。リズムに身体を預けるように中央に出てきた二人のダンサーは、ヘビのようにくねくねと踊る。触れそうで触れない体、時折足を高く蹴り上げ、それをくるりとかわす。二人の動きが妙にかみ合っていて、振り付けされたかのように見えるが、これはパートナーと気持ちを合わせることで生まれるアドリブダンスなのだ。パリでも週1回は教室に通う彼、「みんな最高の笑顔だよ、見知らぬ僕を家族のように迎えてくれた」。先日のバチザードでは新しい帯をもらって嬉しそう。一目惚れから約4年、カポエイラへの思いは増々強まるばかりだ。(ミ)
ジュリアンの通う教室の情報は
www.biribabrasil.com.br
カポエイラフランスのサイトは
www.capoeira-france.com