左派連合の首相候補決定
7月7日の総選挙で議会の最大勢力となった左派連合の首相候補が、今晩ようやくリュシー・カステ氏に決まった。総選挙後、この勢力の首相候補が待たれていたが、次々と候補の名が上がっても、NFPを構成する4党間の合意が得られないまま2週間以上が経過した。今晩選ばれたカステ氏は経済学者。パリ政治学院、ENA国立行政学院卒業。パリ市で財務責任者を務め、公共サービスを守るための市民団体を設立し、活動してきた。
首相に就任した際には、左派連合が掲げているプログラムに沿って、まずは昨年ボルヌ首相が強行採決した年金改革法(62歳から2027年までに段階的に64歳に引き上げる)を撤廃すること、また個人であれ大企業であれ適切に課税するようにする税制改革、最低賃金や給与の増額による購買力促進、公共サービスの保護などを実施するとしている。
いっぽう、マクロン大統領はその1時間後にインタビューに応じたが、依然として総選挙での左派連合の勝利は認めず(「どの勢力も絶対過半数に至らず、同じ程度の議席数なので、どの勢力も勝たなかった」という見解)、8月中旬まで首相を指名しない、と答えた。左派からは一斉に「大統領は国民による投票の結果を認めるべき」、「民主主義の否定」などの批判の声があがった。16日に内閣総辞職したままの状態で、パリのオリンピックが始まろうとしている。(六)