ダルマナン内相が国民議会に提出した新しい移民法案が、昨晩(12月11日)、審議されないまま却下された。エコロジー党(EELV)が提出した事前否決動議が賛成270票と反対265票で法案が否決となった。
この法案は、上院(元老院)では審議され、政府案よりも厳しい法案が採択されている(不法滞在者でも医療が受けられる「AME」(国の医療支援 Aide médicale de l’Etat」の廃止、自国の家族をフランスに呼び寄せる条件の厳格化、国による受け入れ人数制限の復活、公的制度を享受できる条件を厳格化(5年間の滞在以降可能にする)ほか)。
ダルマナン内相の法案は、極右・右派からは規制のゆるさが(極右は「政府案より一千厳しいものにする」)、また左派からは、この国は移民を受け入れてきたゆえの豊かさがあることや、移民なしにはコロナ禍で国を動かなかったことを忘れ犯罪者扱いする差別的な見方が批判され、否決動議への賛成票が多くなった。ダルマナン内相はマクロン大統領に辞任を申し出たが、大統領は拒否。政府は今日12日、国民議会議員7人と元老院議員7人で構成される委員会Commission mixte paritaire に付す意向を示している。(集)