Tonnellerie Rousseauのワイン樽 2020-03-23 MADE IN FRANCE 0連載コラム ワイン樽から少量のワインを抜いて試飲する光景。これは実際に体験しなくとも、フランス人の頭にすり込まれた原風景と言ってもいいかもしれない。ステンレスタンクが主流となった今でも、あるレベル以上のワイン(大体15〜20€以上)は木製の樽で発酵・醸成される。その樽造りを見るため、高級ブ [...]
ルソーの静かな食卓 〈13〉 2020-03-11 ルソーの静かな食卓 0連載コラム 何においても「節制」を美徳とする哲学者ルソーだけれど、何も、日常の小さな悦びを否定しているわけではない。ごく若い時から、甘いものとワインは暮らしの中のささやかな慰めだった。『告白』(1770年)に、こんなくだりがある。「いったん大事な菓子パンを手に入れ、部屋にとじこもり、戸棚の奥 [...]
Ateliers Ducheminのステンドグラス 2020-02-22 MADE IN FRANCE 0連載コラム 外光を受けて浮かび上がる素朴な絵柄と深みのある色に目を瞠(みは)らされるステンドグラス。シャルトル大聖堂、パリ・シテ島のサント・シャペルなどフランスには有名なステンドグラスを持つ教会が多数あるが、ホテルや店舗、住宅にも使われるステンドグラスは現代に生きるフランスの文化遺産だ。 キ [...]
ルソーの静かな食卓 〈12〉 2020-02-06 ルソーの静かな食卓 0連載コラム フランス18世紀は、性愛に対して自由だったとされている。ルソーとも一時期交友があった哲学者のディドロなどは、ポルノと呼ばれてもおかしくないような小説をものした。だが、プロテスタントの教えを受けて育ったルソーにとって、快楽はどこか罪深いもの。大流行したルソーの恋愛小説『新エロイーズ [...]
Agnès b.のカーディガン・プレッション 2020-01-22 MADE IN FRANCE 0連載コラム シンプルでいながらシックなカジュアルウェアとして日本でも人気のあるAgnès b.(アニエスベー)。ファッション誌「Elle」のスタイリストだったアニエスさんは1973年に自分のブランドを立ち上げ、パリのエスプリにあふれた製品を作り続けてきた。なかでも、スナップボタンが特徴の「カ [...]
歩いてゆこう。 2020-01-15 パリの出来事 0 いつもの歩道は人でいっぱいだ。12月5日に年金改革への抗議から公共交通のストが始まって以来、駅前広場、大通りや小路、いたるところで歩く人々の流れが絶えない。パリにもこんなに多くの人がいたのだなと、あらためて認識する。自転車やキックスケーターも人気だ。レンタル自転車は不足するから、 [...]
ルソーの静かな食卓〈11〉 2019-12-09 ルソーの静かな食卓 0連載コラム 18世紀に書かれた一種の教育書『エミール』(1762年)において、触覚、聴覚、視覚といった感覚の中で、わたしたちにもっとも重要なのは味覚だとされている。著者である哲学者ルソーにとっての好ましい味覚とは、自然に近いもの。「結局、わたしたちの味覚は単純であればあるほどいっそう普遍的」 [...]
Atelier Anne Hoguetの扇子 2019-11-23 MADE IN FRANCE 0連載コラム 近年は猛暑のせいで扇子を使う人が増えているようだが、日本と違ってあまり日常的に使われないフランスでは、扇子は装飾品、美術品または歴史映画に出てくる小物という認識のほうが一般的だ。映画や演劇、オペラ、オートクチュール用に扇子を手作りする伝統工芸匠の称号を持つアンヌ・オゲさんのアトリ [...]
パラスの看板猫。 2019-11-15 パリの出来事 0 僕の名前はファラオン。2010年5月生まれのバーマン種の猫さ。青い瞳と白い毛並みがキレイでしょ。今から9年前、パリ8区のル・ブリストルにやってきた。格付け最高位「パラス」の称号を持つ豪華なホテルだよ。僕専用の小部屋もあって壁には子どもたちが描いた似顔絵でいっぱいさ。看板猫として世 [...]
ルソーの静かな食卓 〈10〉 2019-11-07 ルソーの静かな食卓 0連載コラム 18世紀の哲学者ルソーは、独特の教育書『エミール』(1762年)で、子どもを「肉食動物」にしないことが大切だと説いている。興味深いのは、それが栄養学とは違う視点で論じられていること。 「それはかれらの健康のためにではないにしても、かれらの性格のためにだ。経験をどんなふうに説明して [...]