愛の感覚。 Faire l’amour 2002-10-15 本 0 デザイナーのマリーは、彼女の作品の発表会のために、恋人「語り手」と一緒に日本に行く。別れるために。発表会を開催するスタッフを除いて、登場人物はこの二人と、京都の伝統的日本家屋に住み、大学で講師を勤め、食後にはウイスキーを飲むベルナールだけのこの小説。お話を一言でまとめれば、如何 [...]
Amour ! Amour ! et Amour ! 愛の溢れる秋の新刊シーズン。 2002-09-15 本 0 663作の小説(フランス文学442)、572冊のノンフィクションが出版される2002年の新刊シーズン。この記録的な数の本の中から数冊をセレクション。 テーマは愛だ! まずは、日本でもお馴染みの二人の作家の新作。日本でも愛読者は多いだろうから、タイトルを日本語に訳すだけに紹介 [...]
「現在」の中で「現在」を思考する。 2002-06-15 本 0 ●Alain Finkielkraut〈L’Imparfait du present〉 ソレルスやレジス・ドブレ、ベルナール・アンリ・レヴィに比べ、日本ではあまり知られていない現代フランス哲学者、アラン・フィンケルクロート。1949年パリ生まれ、強制収容所に入れられ [...]
「 La vérite est ailleurs/真実はそこにある」 “L’Effroyable imposture” 2002-04-15 本 0 9・11事件は、衝撃的な映像が繰り返し流され、様々な専門家や知識人の分析と解説が反復されるだけで、公開される情報や細部の情報は少なく、単一的という、現代の情報化社会においては特異なケースである。そうした中、9・11事件から半年たった3月11日に出版された本書は逆に、その事件を取 [...]
アホにもわかるフランス語。 2002-03-15 本 0 ●Le francais correct pour les nuls 日本では新学年の始まりが迫る3月、フランスではそろそろ年度末試験の準備が始まる3月。ということで今回は、コンピュータ関連の初心者向け入門書では定評のある「Pour les nuls」(アホでもわかる)シリーズ [...]
パリの果てへ。 2002-02-15 本 0 ●La Cloture パリの道には名前がついている。中でも歴史に残る人物の名前がついているものが多いが、その中の一つ、パリの北東部、La Porte de Saint-OuenとLa Porte d’Aubervilliersの間を環状線と平行する通りは、ナポレオ [...]
ぞうのババール70さい 2002-01-15 本 0 ●Babar et l’oiseau magicien 2カ月遅れてしまっているし、クリスマスのプレゼントシーズンも終わってしまったし、一時のポケモンブームのあと、今の子供は『ハリー・ポッター』に夢中。しかし。しかし、ババール。 ユーロ流通開始にちなんで、今回は、 [...]
世界との和解の試み。 2001-12-15 本 0 ●Laure Adler《 A ce soir》 1989年、ミッテランの文化顧問。1993年からはFrance 2で深夜に放映されていた文化番組「Le Cercle de minuit」の制作と司会。現在は文化専門ラジオ局France-Cultureの代表。こうした社会的、文 [...]
Forever/Faut rever Mozart 2001-11-15 本 0 ●Philippe Sollers《Mysterieux Mozart》 このソレルスの新作は、モーツァルトの生涯をフィクションとした小説ではなく、モーツァルトの伝記でもエッセーでも解説書でもない。様々な作家、画家、音楽家などを扱った『La Guerre du gout』(Ga [...]
前進する反復・再開。 2001-10-15 本 0 ●Alain Robbe-Grillet《La Reprise》 ヌーヴォー・ロマンの代表者として知られるロブ=グリエのこの新作は、何よりもまず、スパイ小説だ。 1949年。フランス情報局諜報員アンリ・ロバンが、極秘任務のためにベルリンに送り込まれる。彼にその任務の詳細は知ら [...]