2003年度文学賞。

●ゴンクール賞  本来なら11月初めに受賞者が発表されるはずだったが、今年は100周年ということで、受賞作に先に他の賞が与えられることを恐れ、予定より2週間も先に発表された。受賞したのは、ドイツの劇作家ブレヒトの最後の愛人であり、旧東ドイツ国家保安省のスパイでもあるマリアを主人公とし...

フランスの奥地。 《Colonie》

 フランスの田舎で母と二人きりで暮らすレオンス。すでに60歳を超え、網膜剥離のため車も運転できないレオンス。この小説は、そんな彼の現在の物語が、彼の幼少の頃の物語と彼の父の物語と交錯して、語られる。  第一次世界大戦で負傷し、リモージュに流れ着いたレオンスの父は、その地のとある工場主と出会い、彼の家で世話になることに...

フィクションは現実をこえられるか? 《Windows on the World》

 「あれ」から2年。「その」事件を扱う小説で、これが最初でも最後でもないだろうが、本書は、小説だけで700書近くが出版されるという前代未聞の今年度の新刊シーズンにおいて、おそらく最も話題にされている。そのセンセーショナルな主題はもとより、その作家も癖のある人物であることもその話題性を増している。ベス...

愛の現象学。 Le Phénomène érotique

 パリ第四大学哲学部教授で、デカルトと現象学を専門とするJean-Luc Marionが長年温めてきたという本書は、愛の考察を提示する。  デカルトの『省察』と同じく6つの省察からなるが、本書ではデカルト的形而上学的省察は「エロチック」な考察に置き換えられている。私 -ego- は、デカルト的コギトでは定義されず、愛...

クンデラの「帰還」

●Milan Kundera《L'Ignorance 無知》  すでに日本語を含め27カ国語に訳されている本書。その「オリジナル」がようやくフランスで出版された。帰還した。  邦訳の紹介には、歴史・地理的背景、すなわち舞台となるプラハとその地に関連する「亡命」という歴...

平和賛歌 On n’aime guère que la paix

 マグナム・フォトの戦争の写真と穏やかで平和な光景を描くナタリー・ノヴィのパステル画、そして戦争を嘆き、平和を謳う詩人たちの言葉。本書はこれらが見事に「織り交ぜ」られた素晴らしい本-アルバム。戦争の写真と平和なパステル画が30編の詩に重なり合わさる。  写真は第一次世界大戦の塹壕から、スペイン内乱、第二次世界大戦、原...

どうして戦争?

●Pourquoi la guerre ?  イラク戦争が始まった前日に発行された本書。アメリカについて、イスラム社会について、イラクについて等々、バグダッドに向かって飛び立ったB52の数にまけず多くの本が出版されている中、本書を紹介するのは、これは子供を対象としており、中級程度のフ...

世界のざわめきvs読書の静寂。

 緊迫する一方の世界情勢の中、文芸界の最新の話題として2月末に他界したモーリス・ブランショを取り上げるという選択もあった。話題の新刊本としてLe Mondeの幹部と政財界との繋がりを「暴露」して大きな波紋を投げかけるだけでなく、記録的売り上げを更新している『La Face cachee du Monde』*を紹介すると...

BADABOUM !

●Dictionnaire des onomatopees  「♪♪Viens petite fille dans mon comic strip(お嬢ちゃんおいらのコミックストリップにおいで)」  「♪♪Viens faire des bull's, viens faire des WIP!(吹き出しをやりにきな...

パリの本屋さん

 今回は趣向をかえて、本の紹介ではなくて本屋さんの紹介。  いい本屋さんとは? 平積みにしてある本の選択がよい、売れそうな本だけではなくて、店主や店員のお薦めが光る。探している本がすぐにみつかる。そして店員さんが親切で本に詳しい。  パリには専門書店から、中古専門、セ...
 

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