子供の国へ旅立とう。

●Alexandre Jardin “Les Colories”
 本書は、これまで知られていなかった太平洋の島の民族のお話だ。この民族とは、1980年に生まれた民族。その名は「コロリエ」、文字通り訳すと「色つきの」。彼らの文化とは、子供文化。つまり、すべての価値は「遊び」にある。歩くこと、食べること、学ぶこと、すべては遊び。まっすぐ歩くこと、信号で止まることは楽しくない。スキップしたり、ジグザグに歩いたほうが楽しい。決まった時間に食べることは楽しくない、好きなときに好きなものを食べたほうが楽しい。絵に描いたクッキーを食べるのだって楽しい。そんな民族の一人、ダフナと出会ったパリの民俗学者イポリット。妻と別居して二人の子供を抱え、愛人もいる彼の人生は、この「セクシーなピーターパン」(本書162頁)の出現で大転換。
 本書はまさに現代の、そしてパリのピーターパン物語といってもいい。しかし、ネバーランドがおとぎの国、想像の国であるのに対して、コロリエは現実にある子供の国。つまり、その「文化」は異文化ではなく、大人たちが忘れてしまった文化。そういった意味では『星の王子さま』にもつながるものがあるだろう。
 本書は昨年ハードカバーで出版されたものが文庫版として出版されたものだが、この「大人」むけのバージョンのほか、「子供」向けのバージョンと、朗読のCDもある。フランス語にあまり自信のない人も、『星の王子さま』のファンの人にもぜひ読んでほしい一冊だ。(樫)



– Alexandre Jardin, LES COLORIES, 352p.
Coll. Folio (N。 4214), 5,30euros
– LA REVOLTE DES COLORIES (SANS ADULTES, I et II),
illustrations d’Ingrid Monchy, 256p., 272 p.,
Hors serie Litterature, Gallimard Jeunesse, 15,00 euros
– LES COLORIES Lu par Valerie Karsenti
Texte abrege, 2 CD audio, 2 h 10 mn
Collection〈Ecoutez lire〉, Gallimard Jeunesse.



 

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