実験的な小品群が面白い。 “Maurice Denis” 2006-12-01 アート 0 OVNI 600 : 2005/12/1 ナビ派の画家、モーリス・ドニ(1870-1943)の35年ぶりの回顧展が、油彩約100点を集めてオルセー美術館で開かれている。ドニの写真展、デッサン展も同時開催。オルセーにあわせ、サンジェルマン・アン・レーのモーリス・ドニ美術館でも、未 [...]
最初から最後までどこか山師的な人である。 “Yves Klein, corps, couleur, immateriel” 2006-11-01 アート 0 イヴ・クラインというと、あの、「インターナショナル・クライン・ブルー(IKB)」を一面に塗った作品が有名だ。なぜ青一色? この色にどんな意味が? と思っていた人は、ポンピドゥ・センターのイヴ・クライン展に来れば、疑問が解ける。1962年に34歳で急逝した芸術家の全貌を約160点 [...]
白黒の美しさは完璧だが、人間臭さがない。 “Lee Friedlander” 2006-10-01 アート 0 写真界の巨人、リー・フリードランダーの50年の活動を総括した展覧会である。2005年夏に回顧展を開催した、ニューヨークの近代美術館(MoMA)が企画した。展示作品は約500点。 フリードランダーは1934年にワシントン州で生まれ、50年代に写真家としてデビューした。 60年 [...]
精霊たちの森? 死霊たちの柩? Musee du Quai Branly 2006-08-01 アート 0 「アジア・アフリカ・オセアニア・南北アメリカの文明と芸術」。つまりルーヴルからは締め出されてきた美術品に捧げられた美術館が新しいケ・ブランリー美術館だ。完成まで参否両論が渦巻き、今後も議論の嵐をよぶことだろう。 シラク大統領が1995年第一期大統領就任早々に構想を打ち出し、新 [...]
「生体計測/身体と同一性」展 2006-07-15 アート 0 ラ・ヴィレットの科学産業都市の一角で行われている「生体計測展」では、体の細かな特徴で相手を特定する生体認証の歴史や最新技術が、コンパクトに展示され、顔輪郭のコンピューター解析や、筆跡鑑定システムを、子供が大喜びでトライしている。ただ、この技術が犯罪捜査や外国人管理の切り札の指紋 [...]
自分の体を使って表現の可能性を追求。 “Cindy Sherman” 2006-07-01 アート 0 1954年生まれのシンディ・シャーマンは、写真家のなかでも特異な存在だ。デビュー当時から、モデルは自分一人だけ。衣装を変え、顔を変え、シチュエーションを変えて、どこにもない場所にいる、誰でもない女を創り出す。 ニューヨーク州の大学で絵画を専攻したが、ある時、「絵はもういい」と [...]
彼の視点は明らかに植物側にある。 “Le Douanier rousseau – Jungles a Paris” 2006-06-01 アート 0 日本でも超がつくほど有名なアンリ・ルソー。今さらルソーでもあるまいに、と思っていたが、今年、あらためてルソーの作品を見ることには意義がある。植民地主義との関連のうえで、だ。 今年は、フランスで、植民地主義にまつわる象徴的なできごとが起きた。1月、シラク大統領は、植民地主義を肯 [...]
ものの見方が影響される。 “Hans Bellmer” 2006-05-01 アート 0 (羽)は、まったく関係のないものを体の部分と比べて、「△△が○○に見える」と正直に言うため、連れから「セックス・マニアック」と揶揄される。こんな輩(やから)は、ハンス・ベルメール展を見てからそう言ってほしい。ベルメールの想像力には、ただただ脱帽するのみ。彼に比べたら、(羽)なん [...]
アート系作品50年を振り返る 2006-04-01 アート 0映画 5区にあるAction Ecolesでは、50人のシネアストでアート系作品50年の歴史を振り返る特集が開催中だ。ベルイマンの『処女の泉 La Source』(4/7上映)やパゾリーニの『マンマ・ローマ Mamma Roma』(4/21)は学校をさぼっても見る価値があるし、モーリス [...]
作風が近づいたり離れたり。 “Cezanne-Pissarro” 2006-04-01 アート 0 親交があった美術家二人の合同展は楽しい。同じような題材の作品を見比べたり、二人の作風が近づいたり離れたりするのを感じることができ、単独の作家の回顧展とはまた違った味がある。オルセー美術館で開催中の「セザンヌとピサロ」は、その線上にある展覧会だ。約20年にわたるお互いの影響を、年 [...]