リュ・ド・ラ・ポンプ駅(9号線)で下車し、アンリ・マルタン大通りをポルト・ド・ラ・ミュエット方向に少し行くと、小さな公園がある。近所の子供たちがボール遊びや砂遊びをしていたりする、どこにでもある公園だが、ここラマルティーヌ辻公園は、1866年以来、今も活用されている掘り抜き井戸があることで知られている。公園の端っこに位置する水汲み場にいると、近所の人なのか、ミネラルウォーター用の大きなペットボトルを数本もって水を汲みに来ている人に出くわす。公園でサッカーに興じていた少年らも、時々ここへ来て、蛇口から直接ごくごく。あまりにもおいしそうだったので味見をしたら、少々鉄分のあるやさしい味だった。 ポンプ通りやヴィクトル・ユゴー大通り、ロンシャン通りなど、周辺には16区らしく、モード関連や食品などの高級店が集まっているので、ぶらぶらとショッピングをしながら歩くのも楽しい。 フェザンドリ通り16番地にある、偽造博物館は、いっぷう変わった博物館。特許や商標の侵害の問題を扱っており、ブランドの偽物をはじめ、食品や薬品、玩具などありとあらゆるコピー商品を展示。「これもコピー品!?」と何度も驚く。商標の問題例としてラギオールのナイフについて解説がある。商標の登録ができなかったためパキスタンや中国で製造されたラギオールナイフが存在するが、安価だったりギザギザ刃のものは疑ってよいそうだ。 博物館からは、ポルト・ドーフィンヌ駅までもすぐ。アールヌーヴォーの建築家、ギマールの手がけた地下鉄の出入り口を見ていこう。(里) |
Le Chenil de Paris: Musée |