ギリシャの財政危機は、援助を行うユーロ圏加盟国の財政負担だけでなく、欧州の銀行にも影響を与えそうだ。BNPパリバは5月6日、ギリシャ国債50億ユーロ分の保有と、同国民間企業への融資分30億ユーロが回収リスクにさらされていると公表した。しかし、その2つを合わせても全融資額の0.6%に満たないため、その影響は少ないと同行はコメント。続いて、ソシエテ・ジェネラルもギリシャ国債を30億ユーロ分引き受けていると発表(同行は同国のゲニキ銀行の株54%保有)。クレディ・アグリコールは、国債が8億5千万ユーロ、ギリシャの銀行への融資が1億8千万ユーロ、子会社のCIBは民間企業へ24億ユーロ融資、子会社の保険会社が4億ユーロのソブリン債保有、買収したギリシャのエンポリキ銀行の融資額が260億ユーロと、グループ全体でおよそ300億ユーロ。フランスの銀行のギリシャへの(国債を含む)融資合計は530億ユーロに上り、諸外国のなかでも最大規模。債権放棄ともなれば、影響は必至だ。2009年の金融危機から立ち直ったばかりの銀行に、手痛い打撃とならなければいいのだが…。(し)