フランスの財政赤字は国内総生産(GDP)の7.9%にあたる1380億ユーロ、という数字が1月20日、ヴルト予算相によって明らかにされた。それでも、1410億ユーロ(DGPの8.2%)という当初の予想よりややましだったのは、2009年の経済成長がマイナス2.25%の予想を下回って実際にはマイナス2.1%に止まり、税収が予想されたほど落ち込まなかったためだ。いずれにせよ、マーストリヒト条約の「3%」を大きく上回ることに変わりなく、3%以内に戻すために欧州委から与えられた猶予期間は2013年までだ。
予算相によると、3%に戻すためには1000億ユーロの歳出減または歳入増が必要だという。うち、半分の500億ユーロは景気回復に伴う税収増と経済危機対策関連支出がなくなることで、残りの500億ユーロは歳出を抑えることで実現するという。そのためには健康保険支出の増加を2010年は2%に抑え、各省の予算も2%ずつカットすると予算相はソロバンを弾く。しかし、2010年度の経済成長が予想通り+1.4%としても、雇用はすぐには回復しないだろうし、計算通りにいくだろうかという疑問は残る。(し)