ノートル・ダム・ド・ロレット駅(12号線)の横に、同名の教会がある。ロレットとは、もとはイタリアの地名Loretoで、この教会はロレートの聖母マリアに捧げられている。ただし、19世紀中頃にロレットといえば、この付近で商売をする娼婦たちのことを指したそうだ。 この教会で毎週火曜昼に行われているパイプオルガンのミニコンサートに出かけてみた。少々遅れて入っていくと、神父さんが説教の様子。あれっミサ? と一瞬とまどったが、10分ほどでコンサート開始。今回はソプラノ歌唱付きだ。ほんの40分のコンサートだったが、後半はパイプオルガン独特の迫力ある重厚な響きが満喫できて、なかなかよかった。 教会横フレシエ通りに〈コントワール・デザベイ〉という修道院製の食品・雑貨を販売している店を発見。香りのよいスイカズラの石けんや、ハチミツ酒、ジャムなど自然素材の商品を扱っていて興味深い。気になったのが「レモンバーム水」。中世より伝わる万能薬で、消化や乗り物酔い、疲れやストレスに効くらしい。角砂糖に垂らして服用というのも面白い。今度試してみよう。 食いしん坊なら訪れるべきなのが、ミルティール通りだろう。坂道を上がるごとに、様々なタイプの食品店が現れる。〈プルミエール・プレッション・プロヴァンス〉で、味見をして気に入ったオリーブオイルを購入し、友人のひとりが絶賛する〈ルソー・スール〉で、果物をたっぷり使ったアントルメを買い、〈レ・パピーユ・グルマンド〉で、フランス各地から集められた豚肉製品や惣菜など買えば、夕飯の買い物の大半が済んでしまった。(里) |
Eglise Notre-Dame de Lorette
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