ムール貝は、ほとんど年中あるし、値段も安いのがうれしい。moule de bouchotと呼ばれる、ブルターニュ産などの小粒で身が黄色がかったものがうまい。以前は魚屋で1リットルや2リットルの金属製の丸い升で量って売られていることが多かったが、最近はキロ単位が増えている。升の場合は客次第で、溢れるほどに大盛りだったり、きっちり1リットルだったりとばらつくからだろう。1リットルのムール貝は700グラムくらい。1キロのムール貝は、むき身にすると、250グラムから300グラムになる。
ムール貝を使ったおいしい酒のつまみを紹介したい。ムール貝のbarbeと呼ばれる、貝からはみ出ているひげ状のものを引き抜き、丁寧に洗う。ソトゥーズやフライパンなどに多めに酒を注ぎ、ムール貝を入れる。強火でフタをする。ムール貝のほとんどが開いたら網じゃくしで取り出す。煮すぎないようにすることが大切だ。ムール貝の量が多い場合は、この作業を数回繰り返す。ムール貝をむき身にするか、身がついてない方の殻だけを取り外す。これをどんぶりなどに入れ、汚れや砂が入らないように注意しながら、煮汁を静かに注ぐ。貝がかぶらないような時は酒を足す。すぐ食べてもいいのだけれど、ラップで包んで冷蔵庫で一日くらいは置いておきたい。それぞれ小皿にとって、しょう油をちょっとたらしたり七味を振りかけたりすれば、素敵な酒のつまみ。