子羊のもも肉をアルミホイルから出して食卓で切り分けることにしよう。この作業、まず、包丁をよくとぐことから始めたい。大きめのまな板にもも肉を、丸くふくらんでいる側が上になるようにして置く。先細りになっている方からとび出している骨の先を布巾やクッキングペーパーで包んでしっかりと持ち、一枚、一枚とできるだけ薄くなるように切り分けていく。骨まで達したら、今度は両脇を、やはり薄く切り分ける。最後に骨の先の方に付いている、”souris” と呼ばれる小さくこんもりとした部分をいくつかに切り分ける。この「ハツカネズミ」にはファンが多い。表面に近い方はしっかりと焼け、中心部にいくに従ってバラ色の生焼け状態というのがベスト。あとは、それぞれの好みを聞きながらサービスしましょう。ところで、こんな風に肉の塊を切り分けるのは、ワインの栓を抜くのと同様に、フランスでは男の仕事と決まっている。