11月18日、国民議会は2009年度予算案に含まれる免税限度に関する条項を可決した。これは、所得税に対する各種の特別免税項目を合わせて、課税対象所得の10%に25 000ユーロを加えた額以上は免税できないという、免税限度を設置するものだ。
現行の減税制度の対象はホームヘルパー雇用、保存地区の建物の修復費用、中小企業への投資、海外県・海外領土(DOM-TOM)への投資などいろいろあるが、従来は免税上限がなく、高所得を得ていても所得税がゼロになる場合があった。とくに従来から問題になっているのは、DOM-TOM投資への免税制度で、これによって国は毎年約8億ユーロの税金を失っている。本来はDOM-TOMの産業振興と雇用創出のためであった免税措置が一握りの金持ちの利益を守るものになっている。それだけに、2005年から政府の懸案になっているこの免税制限措置に強く反対するロビーの圧力は相当なものだったらしい。ところが、今回の免税制限の対象になるのは、免税措置全体のほんの一握り。だれもが納得できるような公正な税制度というのは夢にすぎないのか。(し)