●Avalon アヴァロン 近未来の都市X。脳を破壊する恐れがある仮想戦闘ゲーム「アヴァロン」(勇者が眠る島の意)に刺激を求める人々が後を絶たない。エリート女戦士アッシュは莫大な経験値が獲得できる幻のフィールド「クラスA」へのアクセスを試みる。 前作『Ghost in the shell 攻殻機動隊』がビルボードチャートのビデオ部門で 1位になるなど、海外でも人気の押井守。5年ぶりの新作はポーランドで撮影された実写作品。今回も、監督をカテゴリーでくくり語りたがる輩を、無国籍嗜好とCG ・アニメ・実写のテクニックを自由に操る不敵さで完全に無視し、涼しい顔で通り抜ける。 ちなみに押井監督は犬博愛主義者で有名。本作では監督の愛犬ガブちゃんと同じ種の犬が登場。アッシュが犬にやる豪華なエサ(料理?)は、監督がいつも自分の愛犬に作るレシピと同じだとか。(瑞) |
|
●Les Femmes…ou les enfants d’abord… マニュエル・ポワリエの新作には、大ヒットした『Western ニノの空』(1997)と同じ顔ぶれ(セルジ・ロペーズとサッシャ・ブルド)が揃っている。でもこれは『Western』の続編ではないし、あの作品に流れていた自由気ままな空気も感じられない。この作品では何にでも中途半端だった男が、存在さえ知らなかった実の娘の出現によって目を覚まし、夫として父親として一人前になっていく様が描かれる。こう書くと四角四面の真面目な映画と思われるかもしれないが、ポワリエの手にかかるともっと楽天的で自然な、風通しのいい作品にできあがる。男の変化(ちょっとできすぎだが)、寛大な妻、のびのびした子供たち…すべてが自然につながって、最後の祭りまで流れていく。祭りで酔っ払いに扮した(これだけは不器用なほどわざとらしい)ポワリエ自身が言う「人間には愛が必要なのさ」を、登場人物たちは態度で示し、そのことを感じて私たちも少し幸せになれる。(海) |
|
文化センターで映画を観よう! パリは様々な国の文化センターが定期的に映画上映をしていて、貴重な作品に出会える。例えばベルギー文化センターでは、現在、芸術や政治についてのドキュメンタリーでブリュッセルの素顔に迫るBiennale Objectif DOC(4/6日迄)が開催中だ。 ●ベルギー Centre Wallonie-Bruxelles 46 rue Quincampoix 4e 01.5301.9696 ●ロシア Centre Culturel de Russie 61 rue Boissiere 16e 01.4434.7979 ●ポーランド Institut Polonais 31 rue Jean-Goujon 8e 01.5393.9013 ●ハンガリー Institut Hongrois 92 rue Bonaparte 6e 01.4326.0644 |
|