70年前から続く下町の雰囲気の残るシャンソニエ、chez Louisetteは今でもクリニャンクールの蚤の市の中で営業している。 毎回5、6人の歌手が、交替で持ち歌を数曲ずつ披露していく。ピアフやバルバラの歌、パリを舞台にした歌など、スタイル、年代は様々。歌い終わるとカゴを手に客席に。カンパを乞うというより、観客との会話を楽しむかのように、テーブル席をゆっくりと歩きまわる。 客層はいろいろな国の観光客と昔ながらの雰囲気を楽しみにくるフランス人。壁には、この店を訪れ、楽しく踊っている著名な映画スターの写真もたくさん貼られている。 初代オーナーのルイーズさんから、30年前に経営を引き継いだ現社長のリシャール氏。競馬の予想表に忙しそうに目を走らせながらも、にこやかに、自慢げに語ってくれた。「この店は、今でも電子レンジやキャッシュレジスターなど電化製品は使わず、昔ながらの方法を維持している。食事も肉料理26種、魚料理10種類を常時用意している店は、パリでもここぐらいだろう」 天井に飾られた動かないミラーボールや色鮮やかな装飾はとてもレトロ。中2階にある調理場にオーダーを、大声で怒鳴って伝えているのも、昔ながらの慣習を伝承しているからなのだろう。(尚)
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photo : taiyou *130 av. Michelet (Marche Vernaison) 93400 Saint-Ouen 01.4012.1014 シャンソンは14h30から。 昼食:アントレ33F~、メイン58F~。 飲み物:コーヒー12F、ビール20F~。 土・日・月曜のみ営業(8h30~18h) |