4世代にわたり続いているサン・ミシェル街のライブハウス Les Caveaux des Oubliettes。18世紀までは、要塞の一部として地下は政治犯の牢になっていた。セーヌ川の水位が上がって地下室に水が流れ込んでも、忘れさられていた囚人達…oubliettes (終身犯を収容する地下牢) という店の名前は今でもその歴史をもの語っている。
現在のオーナーのミシェル氏の祖父が、1920年、ここを地下酒場としてオープン。1階部分はおじいさんのコレクションを中心とした武器や拷問用具の博物館だった。その1階は現在バーとして営業しているが、薄暗い店内を見回すと、ギロチン、足かせ、貞操帯などが今でも壁や天井を飾っている。
長年シャンソニエとして流行っていた地下のカーブは、客の60%を占める観光客の好みにあわせて変化を余儀なくされ、数年前からジャズクラブにした。ミシェル氏の甥がプログラムを担当し、26歳になる息子もバーのカウンターで手伝う。音楽の内容は変わってしまったが、親族一同の結束は今なお固い。
毎週火曜と水曜は、ジャムセッション (入場無料)。プロ、アマ混じり合い、総勢30人ほどが入れ替わり立ち替わり演奏する。木曜、金曜、土曜は、プロのミュージシャンによるコンサート (40F)。熱気に溢れたプレイが22時から深夜1時半くらいまで繰り広げられる。
クラブの下の階にある元地下牢はそのまま保存されていて、お願いすれば見せてくれるという。(尚)
*Le Caveau des Oubliettes :
52 rue Galande 75005 Paris
01.4634.2309
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