セーヌ川に面した15区のアンドレ・シトロエン公園を散歩中、突如上空にふわふわ浮かぶ巨大な黄色い物体を発見! ovni (UFO)? いえいえ、これこそミレニアムを記念して登場した係留気球Fortis号なのだ。係留気球は、地上と太いケーブルでつながれていて、熱気の代わりにヘリウムガスと巻き上げ機の力で大空に浮かび上がる。 実は、パリは歴史的に気球と深い関係がある。1783年、ピラートル・ド・ロジエ氏が人類初の飛行をしたのがパリ。1797年には、モンソー公園で人間が気球からパラシュートで初めて飛び下りた。19世紀に入り気球は自由の象徴に。1878年の世界博でも巨大な係留気球が人気をさらったという。だからこまめに散歩をする人ならば、気球に関する記念碑がパリには思いのほか多いことに気がつくかもしれない。 Fortis号は150メートル上空までゆっくりと上昇する。下から眺めるとかなり恐そうに見えるのだが、実際は揺れもほとんどなく快適。同乗した幼い男の子は、ママのガイドのもと、「あれがエッフェル塔、あれがモンマルトル! 」と余裕しゃくしゃくで新しいパリの表情を楽しんでいたっけ。 なお気球の運行は、今年の12月末までと期間限定。天気が良い日は気球とセーヌの流れを眺めながら、お弁当片手にピクニックというのも一興だ。(瑞) *Parc Andre Citroen : |
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