皮をはがされ、白とピンクが混じり合った肌を見せて、ごろりと並んでいる、saumonetteとも呼ばれる小さなサメ。エイと親類で、中骨は軟骨で、小骨がなく食べやすいし、値段もキロ10ユーロをちょっと超えるくらいなので、意外と人気がある魚です。このサメを筒切りにしてからオリーブ油で炒め、トマト、ニンニク、白ワインで煮込む「à l’armoricaine」が代表的な料理。「アルモール(ブルトン語で海という意味)風」というから、ブルターニュ地方のレシピかと思われがちだが、「à l’américaine アメリカ風」がなまってしまったもの。パリのシェフが考案したというが、トマトやニンニク、オリーブ油が入るところを見ると、南仏出身のシェフだったのだろう。クール・ブイヨンで煮てから焦がしバターをかけるなど、エイのレシピのほとんどが使える。Roussette de Savoieは、サメではありません。サヴォワ地方の、ハチミツやアーモンドの味わいがある、まろやかで辛口の白ワイン。(真)