家電販売チェーンで国内トップのダーティが売りに出される、と4月22日付フィガロ紙が報じた。売却しようとしているのは、ダーティグループ株25%を保有する大株主、米投資会社「ナイト・ビンケ」。家電部門の強化を図ろうとするカルフールが買収に興味を示したが、2億9700万ユーロという価格に断念した模様だ。売却を委任された米ゴールドマン・サックスがほかの仏企業にも当たったが、前向きな回答は今のところない。1957年にパリ郊外に設立されたダーティはその後急成長したものの、93年に英企業に買収され、2003年には英・ベルギー・オランダの同業企業を統合して英国に本社を持つ欧州企業として再出発し、欧州他国にも進出。しかし近年、業績が悪化し、2011年度の業績は赤字(3億1390万ユーロ)に転落、純益は42%も減少した。2012年度も低調で、イタリアやスペインから撤退。もし買い手が見つからない場合は、英トップの家電販売ディクソンズとの合併も視野に入っている。将来、再編計画が実施されるようなことになれば、国内雇用への影響も懸念される。(し)