カユザック前予算相の隠し口座事件が波紋を広げるなか、4月5日付ル・モンド紙は、BNPパリバ銀行とクレディ・アグリコール(CA)が財産隠しのためのオフショア会社設立に加担していたと報じた。これは、同紙が参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)がオフショア金融サービス会社の元社員の集めた情報「オフショア・リークス」からわかったもので、同2行は1990年代末から2010年初めまでに、顧客の節税のためにオフショア会社(BNP56社、CA36社)を設立する業務を行っていたとされる。
この2行は、シンガポール、香港、スイスなどの子会社を使って、名目だけのアジア人オーナーの幽霊会社(住所はタックスヘイブンのケイマン諸島など)を作る。顧客の名前はどこにも出ない仕組みだ。BNPパリバは、そうした会社は実体のある会社で合法的なものだとし、現在は厳しい規制を遵守しているため、幽霊会社は存在しないという。同情報の顧客リストにはオランド大統領の選挙運動会計係ジャン=ジャック・オジエ氏の名もあり、波紋はさらに広がりそう。(し)