3月6日、ルノーの労組FO(社員の15.6%)はフランスにおける生産競争力を高めるための労使協定に署名した。すでに署名したCFE-CGC(同29.7%)と、近く署名する予定のCFDT(同19.1%)を合わせると64.4%の社員の賛意を得たことになり、協定が有効になる見込みだ。2012年の新車販売台数が前年より22.5%も減少したルノーは8000人の人員削減を含む再建案を計画していたが、この協定合意によって本格的な再建策がスタートしそうだ。
協定の内容は、定年退職による自然減少で5700の雇用減。加えて、定年退職より3年早く仕事をやめる人に対して75%の給与を保証する制度で1800人減らすなどして、2016年までに8260の雇用をカット。また、2013年はベースアップを凍結。その代わり、経営側は2016年には71万台を国内生産することを約束し、国内の工場閉鎖は一切しない。ただし、社員が転勤命令に従うことを義務付ける条項は見送られ、転勤手当をより有利にすることに。強まる批判を、自分の給与30%カットでかわそうとするゴーン会長の手腕が期待される。(し)