新内閣が発足して早々の6月1日、エロー首相は「およそ36の企業が危機にある」とし、これに対処するための対策班をモントブール生産再建担当相のもとに設けたと発言。一方、労組CGTが首相に提出した倒産やリストラの恐れのある企業は46社(従業員合計4万5千人)に上るという。
この発表と同日、デジタルデコーダー製造のテクニコロール社(従業員351人)と家禽肉加工で欧州トップのドゥ社(同3400人)が司法再建下に置かれた。アルセロール・ミタル社のフロランジュ製鉄所2高炉の操業停止問題も未解決のまま。政府は地元地域圏や県、銀行、企業の経営陣はもちろん従業員も一堂に集めて解決策を模索するよう指導する方針だ。とくに3400人の社員と800の家禽飼育農家を抱えるドゥ社が倒産するとなるとその影響は大きく、バークレイズ銀行の再建支援案を拒否したシャルル・ドゥ社長を生産再建担当相が厳しく批判する一幕もあった。政府がどこまで介入して企業再建と雇用維持の公約を守ることができるか、高度な交渉能力が試されている。(し)