資金繰りがひっ迫しているフランス=ベルギーの大手金融機関デクシアが分割されることになった。デクシアはベルギーとフランスの地方自治体向け金融機関が1996年に合併してできたもの。サブプライム問題で経営危機に陥り、2008年に両国政府から支援を受けてから3年、今度は欧州諸国の財政危機の影響を受けて再び苦境に。フランス地方自治体に計250億ユーロの不良融資があることはかねてから問題になっていて、フランスやベルギーだけでなく、米国など世界各国の自治体にも融資している上、ギリシャ、ポルトガルなどの国債も大量に保有している。
ベルギー、仏両政府と同行の協議の結果、10月10日、ベルギー政府は40億ユーロを注入してリテールバンキング部門を分離国有化し、ルクセンブルクの子会社は売却、地方自治体への融資部門は仏預金供託公庫が引き受ける。さらに同公庫は郵便貯金銀行とともに自治体融資コンソーシアムを新設することもほぼ決まった。ただし、仏政府の保証についてはまだ詰めが必要で、財政の苦しいこの時期に仏国庫の負担はさらに増しそうだ。(し)