ロワール県ユニュー町(人口8500人)は4月19日、デクシア銀行を相手取って、同町への高金利融資を無効とする訴えを起こすと明らかにした。
同町は2007年に同行と700万ユーロの融資契約を交わしており、うち400万ユーロが「有害融資」とされている。この「有害融資」は、通貨変動などにスライドする融資商品であるため、金利が契約時は低いが数年経つと2ケタ台に高騰するリスクを伴う。「有害融資」の被害は同町だけでなく、数年前から他の地方自治体にも広がっており、問題視されている。2月には10億ユーロ近い借金を抱えるセーヌ・サンドニ県議会がデクシアなど3銀行を告訴。同県の場合は、最初3年間は1.47%だった金利が、告訴時点では24.2%に高騰し、金利支払いは年間2300万〜2800万ユーロに上る。同様の問題を抱えるサンテチエンヌ市は借金に苦しむ地方自治体の救済のための基金設立を国に求めているという。もちろん地方自治体の、融資に頼る無防備な姿勢にも責任はあるとはいうものの、この問題に国もそろそろ重い腰を上げるべきではないだろうか。(し)