シテ島の鳥市、さようなら。
シテ島に花市が開設されたのは1809年だが、ここで鳥市が始まったのは1881年のこと。今でも毎週日曜になると、普段は植物が売られている場所に鳥商人たちが陣取って、鳥や鳥籠、備品、エサなどを販売する。子どもも大人も珍しい色に驚いたり、澄んだ鳴き声にうっとり…。だがそんな光景もあと2年限りだ。パリ市議会は2月、「鳥を籠に閉じ込めて楽しむのは今の時代にふさわしくない」と、この花市の改修を機に鳥市を閉鎖することを決めた。
国会審議中の「動物虐待撲滅法」が成立すれば、2024年からは犬猫をペットショップで販売することも禁止される。「人気が高まるエコロジー政党の票を狙った市長の政治的な目論見」だと、ここで50年間鳥を売ってきたアンリさんは不満を漏らす。なんとも幸せに満ちた場所だから続いて欲しいが、鳥は大空に放してあげたい気もする…。閉鎖までの期間を楽しもう。