パリ郊外ボビニーの商事裁判所は3月31日、国際宅配業モリー・グローバル社(旧モリー・デュクロ社)の清算を宣告した。4月末付で2150人の従業員が解雇される、近年でも大規模な雇用喪失となった。2014年に4300万ユーロの純損失を計上した同社は、すでに2月に会社更生を申請していたが、買取先が見つからなかった。競争の激しい国際宅配業界にあって、同社はすでに13年に経営が悪化し14年初頭に倒産。同年2月に同社大株主の企業再建専門会社アルコル・アンデュストリーが再建案を提示し、85の営業所のうち35カ所、従業員5000人のうち2800人をリストラして再出発した。同時に政府も1750万ユーロの資金を注入し、税金・社会保障費の未払い分を凍結するなどの支援をした。14年には業界の景気が持ち直したにもかかわらず、結局は公金を無駄にして倒産に至った形だ。(し)