魚屋に大西洋岸産というウニが出ていた。キロ17ユーロと安めだったので、さっそく8個買ってきた。これで約1キロ。ウニの殻の上部にある口というかへそというか、それが見える方を上にし、先のとがったハサミで上の方を水平に切り開けてしまう。その瞬間に立ちのぼる海の匂いは、生ウニならでは。オレンジ色の卵巣が放射状に並んでいる。少し黄土色がかっていたら精巣です。もちろんこれも食べられるが、味は落ちる。食べ方としては、小さなスプーンでその卵巣を慎重にとり出して、器に移す。あるいは、やはり小さなスプーンで卵巣の間にある、黒っぽくグニャグニャしたものをかき出してから、殻ごと皿に盛り付ける。こちらの方が野趣があっていいなあ。日本の塩ウニの濃厚な味わいとは違って、やわらかで上品な風味。レモンを添え、好みによっては、塩の華を少々振ってもいい。マルセイユでは3月中旬まで地中海産のウニを味わうことができる。小さいウニだが、味ではトップクラス!(真)