9月17日付ル・モンド紙は、政府が公営ギャンブル企業フランセーズ・デ・ジュ(FDJ)の一部民営化を検討していると報じた。国の保有株を管理する機関APEが、株売却を担当する金融機関の選択に着手したばかりなので、正式には何も決まっていないが、2015年春頃に実現すれば、国は保有株72%のうち約20%を手放すのではないかとされる。それがもたらす3~4億ユーロの売却益は国にとっては大きく、大統領の公約である住宅建設に充当される見通しだ。
経済停滞のフランスにあってFDJはここ15年ほどで売上を倍増させ(123億ユーロ)、1億3300万ユーロの純益を上げる優良企業だ。国に年間1億ユーロの配当金を支払うほか、賭け金の25%=年29億ユーロを国庫にもたらす貴重なドル箱だ。いずれにしても、国は50%以上の保有率は維持する方針のようだ。売上至上主義でなく、ギャンブル依存リスクを防止するなど、公正な運営のために国の監視が必要だとされているからだ。しかも、前サルコジ政権が民営化を断念したように、FDJ民営化には複雑な問題があるとされ、実現するかどうかは定かではないようだ。(し)